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ニコニコDVDはコメントを一般市民に普及出来るか

1月11日からニコニコDVDというサービスが始まった。
http://dvd.nicovideo.jp/

手元にDVDと再生できる環境があれば、あの映画やアニメがコメント付きで見られるサービスです。

このサービス、「ニコニコじゃあ著作権コンテンツはMADしか見られない。」という不満を「逆に著作権コンテンツで堂々とニコニコすればいいじゃん」という逆の発想で送り出してみたと解釈できる。

もう一点大きいのは、一般人受けしているコンテンツにコメントをかぶせることによって、「ニコニコする」行為自体を普及させることが出来るのではないかということ。

良かった点
今後の課題だなぁと思う点は後で挙げるとして、良かった点として。

・糞映画でも良映画でもどちらでも楽しめる。というのは、糞ならコメントがコンテンツをサポートするし、良画ならコメントで共感出来る。
・そもそも皆で見て盛り上がることで価値を発揮するコンテンツもあるのでは?
・コメントによって一回見た映画を再び楽しめる。(それが良映画でなくても)

勿論、映画は静かに、集中して見たいという方もいるでしょう。そういう人は映画館や家で一人で見ればいい。友達とあれやこれや言いながら見る映画は割と楽しいものです。
まぁ普通に考えれば、初見且つ楽しみにしていた映画は避けた方がいいかもしれませんね。一度見たか、ネタで借りてみた映画が一番適応するでしょう。


勿論、これで完成形ではないと思います。

課題は?

・対応DVDの少なさ
これは時間が経てば解決されるかなと思っていたのですが、

なお、一覧にない作品については要望掲示板からリクエストをしてください。
ユーザーさまの手では作品を増やすことはできません。

要望掲示板にしたことで、結構ブラックボックス化してしまったかなと。
GEOがプッシュしたい作品>ユーザーが見たい作品っていう図式も成立してしまうかもしれないですね。

・リアルタイム性

大きな難点は、「映画でニコニコしたい!」と思ってから、レンタルのリクエストを出して、1日2日のラグがあること。(若しくは、直接借りに行くか)
というか、これはストリーミングの方が良いような気もするんだけどな。エロ動画は現在DMMちゃんねるで押さえているんだろうから、ストリーミングをニコニコのプレイヤーで出来るようにすれば全然可能だと思う。何故、GEOと組んだのだろう。大人の事情か。

・コメントの濃度

動画の尺が長いので、コメントの濃度を工夫する必要があるかもしれない。「コメントさせる」工夫というのかな。さすがに2時間、コメントでしゃべりっぱは無理なので、ここは工夫と時間が必要だと思います。そもそも、再生数やコメント数がある程度つかないと、このコンテンツの場合は投稿動画と違って、既存映画と何も変わらないので。

今後の展望

ちょっと話を大きくすると、「動画プレイヤーで常にニコニコしたい。」ニーズを満たすというのは即ち、結局Twitter然り、2ch然りのテキストの力(文字の力)を動画に載せることに等しいと思うのです。文章って声や画像に比べて、圧倒的に「細部」まで頭に残りやすい。若しくは全く頭からシャットアウトすることも出来る(文字を頭に残さない)。非常にコントローラブルな表現方法だと思うのです。例えば、字幕とコメントは競合しにくいけど、二重音声はちょっと処理出来ないよね。
「コメントが色んなコンテンツの上を流れる」ことがそこまで不快ではないのはこれに起因している気がする。そーすると、あらゆるコンテンツの上を活字が流れてくインターフェースもアリなのかなと思ってしまいました。Twitterクライアントでブラウザの上をつぶやきがガンガン流れてくみたいな。


あと、映画館でニコニコするのもあながち悪くないなと。既存の公開とは全く別モノとして扱うことが大切だけど。みんながスマートフォンを持って、映画館でリアルタイムにコメントを書き込む。「話せない」映画館で活字で話してしまう。むしろ、声は映画と競合するので、映画館でその場のコミュニケーションを楽しむにはコメント位しかないんじゃないのかと。いや、ぶっちゃけコミュニケーション自体が邪魔だって話だと思うんだけど、そんなアホな会合があっても悪くない。web学会で会場が一番湧いたのもリアルタイムのTwitterをスクリーンに映したときだったし。

今回は全くまとまりがありませんが、ニコニコDVDは結構楽しみにしてます。