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ニコニコ超会議の意味するもの

ニコニコ超会議行ってきました

ニコニコ超会議2018 公式サイト
http://blog.nicovideo.jp/niconews/2012/04/032353.html
フロアマップ



このイベント、結論から言って、ショックが大きかったです。私は前売り券を買っていたので、初日のみ参戦する予定でしたが、結局2日とも行きました。まさに自分が会社でしたいこと、したかったことに近いイベントでした。

ごった煮の気持ちよさ

ドワンゴ川上会長と夏野取締役が語る「ニコニコ超会議」 10万人を「ごった煮」の渦へ (1/5) - ねとらぼ
ニコニコ動画をそのままそっくりリアルに持ってくるという言葉の通り、会場内は完全なカオス。

ただ、そのごった煮が面白い。歩いていれば「何か面白いものにぶつかる」状態。

ユーザーが結婚式あげていると思えば、正面から兄貴が歩いてくるし、と思えば、可愛いコスプレイヤーさんがいて、気付くとニコニコの先端知見を聞いている。

「異なるタグを次々押している」かのようなごった煮感が楽しかったですし、ニコニコっぽくて良かったです。
Blogger
個人的にはUTAUNOBIS -UTAU DATABASE-の_Gissyさんと名刺交換もして、今後連絡とってみようと思っているところです。
データソースの取り方は相談ですが、自然言語処理をかませると、圧倒的に面白くなる気がしています。
僕にその技術力はないので、うまくつなげるだけですが。わくわく。

対応力の速さ

まず、一番最初に私が見たニュースはこれでした。
ニコニコ超会議の来場者数がヤバイ!入場まで数時間待ちはザラ : オレ的ゲーム速報@刃
そもそも、これだけの巨大イベントを仕切るのにはそれなりの経験が必要なので、色々と甘かったんだろうなと思ったのですが、2日目は上記の経験が生かされていて、ほとんど待ち時間なく入場出来ました。

ここらへんの対応力の速さはさすがと言わざるをえません。

これ、もっとお堅い会社とか、テレビ局とかだと、改善はもっと遅いと思います。まぁ、初日にあれだけ斜め上にミスることもないと思いますが。


対応力の速さ

素晴らしかったのは企業ブース。
http://blog.nicovideo.jp/niconews/2012/04/031667.html

まさか広告枠までリアルイベントに落としてくると思わなかった。
パチンコからゲームまで色々ありましたが、素晴らしかったです。金掛かってましたし、下手なイベントだすよりも全然イベント効果あったんではないでしょうか。
広告主も実際のバナー出しているクライアントさんが多かったですね。

私はダーツやるので、ちらとのぞいたのですが、江口さん(超有名なダーツプロです)来てるとかマジ豪華。ここらへんも「気合い入ってるなー」と思うのに十分でした。

集金モデルのチャレンジ
今回のニコニコ超会議の収益はいくつかに分けられると思います。

主要収益源
・企業協賛(広告収益)
・入場収益
・グッズ収益
・サイト有料課金収益
  -生放送
  -超パーティのネットチケット

目に見えるもの以外にも、ニコニコ動画ないのPV増による広告効果増とか、アフィ効果増(ニコニコ市場)とか考えてたのですが、主なものは上記に挙げてある通りだと思います。



超パーティで取り組んでいたのが「ネットチケットがどんどん高くなる」というモデル。

ニコニコ超会議2018 公式サイト
このモデルは、飛行機チケット、劇場チケットでよくみられるものです。特に、高い固定費に対し、早めに座席を埋めて、収益性を高めたい場合に使います。

そもそも座席の上限がないニコニコでは、このモデルって謎なのですが、「早いと安い」ではなくて、「遅いと高い」っていうところに焦点を置いたのはさすがでしたね。

主要コスト
・箱代
・人件費(スタッフ)
・ゲスト招致
・設営費

まぁ他にもたくさんあるんでしょうが、
4億位の赤字になりそうとのこと。

ドワンゴ川上会長と夏野取締役が語る「ニコニコ超会議」 10万人を「ごった煮」の渦へ (3/5) - ねとらぼ

 ニコニコ大会議は有料化の後、人気が上がるにつれ、黒字化できた回もあったが、今回のニコニコ超会議の収支は赤字になる見込みだ。川上会長は「収益のためにやってるわけじゃない。ユーザーが楽しめれば良い」と気にしてない様子を見せる。同社の“黒字維持担当”こと夏野取締役にとっては見過ごせないポイントかと思いきや、以前の発表会では「(ニコニコ超会議に関して)赤字を埋めるつもりはもともとない」とコメントしていた。

いつの決算短信かわかりませんが、こちらは見てみようと思います。

ニコニコ動画というプラットフォームの力を証明

今回、個人的に一番衝撃を受けたのは「リアルイベントでは、TV局をニコニコが上回った」と感じたことでした。
勿論、色んな理由があると思います。まず、コンプラ的にあれだけカオスなイベントを開くことはTV局には無理。
特に上が「仕切り」「仕切り」とうるさいマスコミにおいて、あれだけのごった煮(仕切られていない)状況を企画するところからアウト。
でも、もっと本質的なのは、TVは「メディア」ではなく、いちコンテンツプロバイダになってきているということです。

ニコニコ超会議を見て感じたのは、メディアの強さが明らかにコンテンツによる力から、プラットフォームによる力に移行しています。
TVはコンテンツプロバイダとしては、新しいことをしてきたかもしれませんが、プラットフォームとして何一つ新しいことをしてきませんでした。
コンテンツプロバイダは「メディアによる収益」即ち広告費ではなく、「コンテンツによる収益」で食っていくべきですし、そうでないと食っていけない時代が来ます。テレビが、自分たちの収益モデルを立て直すのか、プラットフォームとして新しいことをするのか考える時代に来ています。これは、テレビ広告費で食っている代理店も一緒。

最後に
親会社のdwangoは本当に良い位置にいる会社だなと思いました。dwangoだから仕方ないというユーザーの許容の広さをうまく利用?し、次にユーザーの期待を良い意味で裏切る成長を遂げているからこそ、これだけ飽きられないのだなと感じています。

そして、niwango経営層の充実っぷり。
しばらく目を離さないと思います。