未来私考のGiGirさんの下のつぶやきを見てふと思った。
GiGi on Twitter: "作業用BGMって著作権的にアレなのが多いこともあってあんまりおおっぴらに語られないけどニコニコの最大勢力の一つだよね"
これを見た時、直観的に思ったのだ。
Youtubeでやれ。と。
だって、コメント残したり、コメント見てる時点で「作業出来てねぇじゃん」っていう。
いや、もっと言うとYoutubeである必要すらない。itunesでいいじゃねぇかと。何故、わざわざニコニコなんていうインタラクティブ性の高いメディアで作業用のBGMを聞こうとするのか。
作業用BGMは「オムニバスCD」
まず、作業用BGM動画って、尺的に30分〜120分程度のものが多い。これって時間的にはアルバムです。
で、人気のある作業用BGM動画には「perfumeベスト」みたいなものだけじゃなくて、
みたいに「テンションが高くなる」「癒される」的なup主チョイスのオムニバスも多い。
これを見て思い出したのが下のオムニバスCD。正に作業用BGMの走りともいえる。
- アーティスト: オムニバス,シャルロット・チャーチ,ロドリーゴ・レアン,坂本龍一,エンニオ・モリコーネ,加古隆,宮本文昭,葉加瀬太郎,鳥山雄司,カール・ジェンキンズ,ヨーヨー・マ
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
- 発売日: 2000/08/23
- メディア: CD
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でも、実際長い音楽動画をupするだけならyoutubeでも出来る。
何故、ニコニコなのかというと、up主がコメントで一曲一曲の反響を見ることが出来るというのが大きい。オムニバスの編集者って凄く「センス」を求められます。それは音楽センスだけでなくて、マーケティングセンスです。即ち、市場が何を求めているのかということ。一曲一曲につき、リアルタイムで感想を述べてくれるニコニコというのは編集者にとって最高のフィードバックシステムなのです。更に、画像も入れることで少し遊び心を出してみたりね。即ち、爆発的なクリエイティビリティがなくても、閲覧者の支持や喝采を浴びる方法というのは実は「編集」という行為なのですね。これは雑誌や音楽アルバムにも言えることですが。
即ち、ニコニコの作業用BGMってオムニバスCDのソーシャル化と言えるわけです。
視聴者のインセンティブは?
先ほどの論理は「動画作成者」にとってのインセンティブでしたが、動画閲覧者にとってのインセンティブは何でしょうか。一つ目は普通のアルバムでなく、オムニバスCDを買う人にヒントがあります。これらの人は音楽を「アーティスト」では決めないのです。聞く時のoccasionだったり、自分のフィーリング(落ち着きたい、テンションを上げたい)に沿って音楽を消費したいのです。
要は自分のニーズに沿っていれば、アーティストは問わないというわけです。
これらの人々にとって、従来の「シングル単位」「アーティストアルバム」といった音楽は結構不便なのです。自分で編集しなければならないから。めんどくさい。
作業用BGMはこの点を動画up主が解決しているわけです。youtubeは比較的、「シングル単位」だったり、「アーティストアルバム」の動画が多い気がします。また、itunesもプレイリストを作るのがめんどくさいためにGenius機能があるものの、そのチョイスはappleとは思えない糞センス若干残念な感じになっています。
コメントの定性評価、マイリスの定量評価
更にニコニコが作業用BGMに適している理由を述べると、作業用BGMにもクオリティの担保が必要だということが挙げられます。それがマイリスト数だったり、タグだったり、コメントだったりする。このクオリティというのが曲者で、作業用BGMに関しては定量評価だけでは絶対に足りないのです。何故なら、作業用BGMを探している人にとって、クオリティは彼らの多様なニーズに依存しているからです。だから、タグやコメントの定性評価が質を担保してくれることになります。
まぁ、色々述べましたが、ニコニコで作業用BGMが強い理由も考えてみれば色々あるなぁと。
ついでに作業用BGMタグで再生数No1はこの動画です。
作業用BGMとニコニコの相性は良くても、肝心の作業自体とニコニコの相性は最悪かもしれません。
追記
音楽業界がいかに危ないか俺が優しく教えるスレ【働くモノニュース : 人生VIP職人ブログwww】を見ると、上の話を踏まえれば、音楽業界って構造不況に突入している可能性が高いですね。