足ることを知らず

Data Science, global business, management and MBA

声に匿名性をもたらした「ゆっくりボイス」

動画というコンテンツに欠かせない『音』
動画をアップロードする時に文字や写真と決定的に異なる部分がある。それは『音』だ。この『音』というのは意外に曲者である。相手の顔も知らない、素性も知らない状況で、相手が淡々と話す「声」だけを聞いた場合、人は結構な違和感に襲われる。
例えば、ゲーム実況動画においてもそれは同じで、声質がゲーム実況等でも意外に大きな役割を果たしている。皆、結構いい声なのだ。しかしながら、ゲーム実況等でアピールしたいのは声ではない。(例外はあるが)歌ってみたとは違って、声自体がコンテンツなのではなく、話している内容が重要なのだ。このため、動画投稿の障壁の一つに「声」が存在するようになり、字幕を挿入する人間も多かった

確かに声をコンテンツの一部と考えていない人間が、実況で仕方なくアップロードした声に対し、「声キモい」とか「声自重」なんていうコメントが自分の動画に流れることを考えるだけで、大きなリスク・障壁である。

逆に言うとこの感覚ってfacebookにも平気で実名と写真を乗っけるアメリカではありえないだろうなと思う。皆様、youtubeでも堂々としたものだ。

声に匿名性を持たせた「ゆっくりボイス」
しかし、声を公開したくない人もあるツール=http://cncc.hp.infoseek.co.jp/を用いることで、実況動画をアップロードすることが出来るようになった。



D

ゆっくりしていってね!!!とは (ユックリシテイッテネとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
SofTalkとは (ソフトークとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

既に単独タグが付くほど独立?した勢力と化しつつある。

特に、翡翠の夫(現萃香の夫)が製作したMUGENのキャラクターとなってからはその異様な存在感からMUGENのトーナメントにおいて『ゆっくりを見に来た』人が数多くいるほどである(サムネで釣られる人多数)。

ちなみに、ゆっくりのCVはSofTalk

「ゆっくりの声」として広まった後は、春原ロビンソン氏の物語の語り部として「ゆっくり」以外での可能性を開花させる。その後、ゆっくり村、TATIなどゲーム実況にSofTalkを用いる者なども登場(→ゆっくり実況プレイ)、
ニコニコ動画のあらゆる局面においてSofTalkは独自の地位を占めるに至った

ボーカロイドとの違い

機会に歌わせる・喋らせるという一点ではボーカロイドとゆっくりボイスは何ら変わることはない。しかしながら、「フリーウェアである」「テキスト入力のみの調教いらず」という「金銭」「編集」コストの低さが決定的にユーザーに優しい。特にこだわりがない限り、初音ミクによるゲーム実況は登場しそうにない。

ゆっくりボイスの見えざる効果

ニコニコ動画2chと親和性が高い。「ニコ厨」と卑下されるが、何だかんだ利用者のセグメントは被っている。ゆっくりボイスの見えざる効果にはこのセグメント独特の価値観が関わっている。

ニコニコが詰まらなくなったのは何でなんだぜ - 足ることを知らず〜Don’t feel satisfied 〜

自己顕示欲を出されると不快

356 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/10/27(火) 00:15:52.37 ID:hftJLSX30

無断編集動画(MAD動画)
こんなのあげて神と呼ばれ、神気取ってるカスばかりだもんな
下手糞な音声MADは死ねよ。ようつべのほうがまだクオリティたかいわ



387 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/10/27(火) 00:22:15.48 id:QH8pZMEk0

>>376
これ同意できるな
匿名掲示板で自己顕示欲が高い奴ってちょっとなって思う
やるなら馴れ合い板でやれって思うけどvipも馴れ合い板だった^p^


373 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] :2009/10/27(火) 00:19:04.44 id:aReLt69G0

歌ってみたなり、踊ってみたなり、演奏してみたなり、実況してみたなりは
壁かくまさん人形相手にやっていてください  実に不快です

これは正論かもしれない。自己顕示欲を示したいならmixiかblogでやれと。
僕も誰かは明らかにしないけど、物凄くクオリティの高いものを出してくるところに奥ゆかしさと良い意味での馬鹿さを感じていた。正にそれが才能の無駄遣いタグ・文化なのだと思う。


今は才能を「無駄に」遣ってる動画が少ないよね。自己顕示の道具として有効活用してる。


そう、匿名的であるがために、2chやニコニコで嫌われる「自己顕示」の道具とは対極にある。その印象を視聴者に与える可能性を徹底的に排除する。それはあの皆にとって慣れ親しんだ声と共にある種の好感度につながるかもしれない。


勿論、ゲーム実況のすべてが自己顕示欲の高いものではない。しかしながら、ゆっくりボイスを使うことが先ほど述べた「守り」ではなく2chやニコニコのセグメントに対してならではの「攻め」のツールとなるのだ。慣れというのは怖いもので、最初、私にとっても爆発的な違和感を感じさせていたゆっくりボイスも今では全く不快に思わない。


タイプライターが文字に匿名性を持たせたとしたら、ニコニコにおける「声」に匿名性を広げたのは間違いなく「ゆっくりボイス」なのだ。