足ることを知らず

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ニコニコのプレイ実況が「作品」に化けた日。

思い出の試合を「再現した」『作品』

最近お気に入りなのが下の動画。


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SLAMDUNK by たっきー - ニコニコ動画

再現動画が可能かどうか
漫画とかアニメのキャラをエディットで作ってプレイするっていうのは割と誰でもやってみることなんだけど、どうしても出来ないことがあるわけです。例えば、キャプ翼ウイイレで再現しようとしても少し不可能があるし、ドカベンキャラをパワプロで再現しようとしても限度があるわけです。MAJORとかは再現出来るんだけどね。ただ、フォームとかがあるから、再現度が高いとはいえないわけで。

そんな中、再現可能で、何故か再現されていなかったのが
スラムダンクでした。現実離れしている選手能力設定じゃない分、顔とかフォームとか細かい点が気になったりしていた。その点、上の動画の再現度は相当高い。勿論、ファンの中には「こんなのスラダンじゃねーよ」と言う人はいるかもしれないけど、動画の反響を見れば、コンテンツとして認めている人も多いのです。

コメントがスラダン愛を示している
コメントが「観客の盛り上がり」を再現している。これを見て思い出したのがhttp://www.itplanning.co.jp/slamdunk/slamdunk_old.phpだった。

勿論、キャンペーンの様な「意図のある企画」に対する反響と今回の様な自己満足的なコンテンツに対する反響を比較することは必ずしも正しくないかもしれない。でも、動画にコメントしている人たちは皆スラムダンクに思い出があって、それぞれが熱い声援を送っているというのは変わらない。どちらもスラムダンクへの想いに比例したコメントが残されていることに変わりはないのだ。これは、井上雄彦さんでしか作ることの出来なかった「スラムダンク」を一般人が異なる方法で表現することが可能になったことを意味する。

コメントのコンテンツ化
この動画にとても可能性を感じるのは「今まで不可能だった漫画キャラの試合に観客としてコメントを残せる」ということだった。流川や花道に声援を送ることが出来る。
声援だけではない。ニコニコらしい「コンテンツ化するコメント」も勿論ある。コメントの中には漫画キャラが試合中に残した名言の数々が書き込まれる。これはYoutubeだったら不可能なことだっただろう。これぞニコニコと思う盛り上がりだ。そのうち弾幕も出てくるのではないだろうか。

ゲームが作品を作るツールになる日
そして、アンチコメントで一回は消されてしまった山王戦のQ3、4は復活を求める声に応えてもう一回アップされた。反響はアンチも賛成派もあるだろうが、個人的にはこのような動画の流れを応援したい。ゲーム自体もこれからどんどん自由度やカスタマイズが可能になってくるので、何年後かにはもっと再現度の高い動画を作ることが可能になるだろう。すると、ゲームがプレイだけでなく、「動画制作ソフト」としての意味合いを持ち始めるようになる。狭義ではあるが、映像作品を作ることの障壁が格段に低くなるはずだ。そして、今まで非生産的とされてきた「ゲームをやりこむ行為」が作品として昇華される可能性を持つのである。プレイ動画が「魅せる」ことを意識した時、それは作品の意味も持つようになる。ゲームの新しい形を示しているようにも思える。