足ることを知らず

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任天堂の凄さ

小飼さんのblogから抜粋
404 Blog Not Found:究極の仕事 - 書評 - 任天堂 "驚き"を生む方程式


任天堂は外様に経営を語られることをよしとしない。経営を称えられることすら厭う。だから個別に取材を受けるということは、これほど成功している企業であるのに極端に少ない。故にその経営を題材とした書籍も、ほとんどない。

そんな任天堂を、その商品から受ける憶測ではなく、丹念な取材と綿密な考証に基づき上梓された本書が面白くないわけがない。他の企業ならさておき、製品の100%が娯楽品である任天堂は、面白くなければ存在価値そのものがなくなってしまう。面白い日本語になってしまうが、本書は命がけで面白い、というしかない面白さだ。

感嘆したのは、本書が繁栄の絶頂にある同社の現在だけではなく、120年にも及ぶ同社の過去と、そしてかつてないほど見えない未来をきちんと書いたところ。現在の任天堂の「デュアルコア」である岩田聡宮本茂の片方だけでも本が一冊出来るだけの重要人物であり、両氏の重要性は Gates や Jobs に劣らない。そして退社してわずか二年後、56歳で亡くなった横井軍平が世界に与えた影響は、この両者を合わせたよりもさらに大きいのではないか。カードゲームの会社を電子ゲームの会社に変えたのは、この人だったのだから。彼らのいずれか一人分だけで紙幅が尽きても十分満喫できたのだが、極めつけはあの「静かなるドン」、山内溥のインタビューも取り付けたことだろう。氏の言葉を知るためだけでも、本書を手に入れる価値がある。横井、宮本、そして岩田の主張であれば製品を通して知ることができるが、なぜ山内がこれらの逸材を魅了しつづけたかを知るにはそれしか方法がないのだから。

僕は、大好きな著書「ビジョナリー・カンパニー」の中に世界的なアミューズメント企業であるNintendoが入っていないことだけが残念でなりません。
任天堂マーケティングは存在しない。顧客の求めるものを出すなんて、面白くない。
そんな一言を以前聞いた覚えがあります。

本来、日本ではブランド=顧客との約束かもしれませんが、欧州でのブランド力は顧客をどれだけ驚かせるか(勿論、プラスの意味で)で決定されると元LVJの取締役である藤井さんの著書「グローバル・マインド」で見た気がします。今の日本に欧州で通用するブランド企業は任天堂以外存在しないのではないでしょうか?