足ることを知らず

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国産2大プラットフォームniconico×LINE


ad:techに行ってきた。
運よく、dwango川上さんと、NHN桝田さんのセッションを聴講することが出来ました。
結論から言って、面白かったです。


http://www.adtech-tokyo.com/ja/conference/session_detail/ssnDetail.html?id=B-5


あんまりセッション内容のことを書くのは、僕の記憶力の問題もあり、「そんなこと言ってねーよ」と言われそうなので、控えますが、少しLINEとniconicoについて、お話をしたいと思います。

LINEの躍進
LINEもniconicoも、恐らく知らない人はいないプラットフォームだと思います。
LINEは、日本で3000万人、世界で7000万人を超える人々が利用しています。
スタンプから始まったブームに乗って、ここ最近で一気に利用者を増やしました。
スマホを持っている人は、ほとんど使っているのでは?という普及率に加え、DAU(Day Active User Rate)は50%と、考えられないような数字を叩き出しています。こちらの数字に関してはNHNの他サービスが全く比較にならないため、困っていると話していました。

ビジネスモデルも秀逸で、変にオープン化を行っていません。4週間1000万円というエキセントリックな価格で、企業スタンプ枠を売っているのですが、同時掲載は1〜2企業です。もっと儲けられるのにと、大体の人が思います。
しかし、桝田さんが仰るに「限定することが重要」だそうで、ユーザーが迷ってしまうような選択肢の多さは逆効果になるのです。
これは生産サイドとしても合理性があります。スタンプもそうですが、スマホのコンテンツは完全に消費財です。プロダクト・ライフサイクルが非常に短い。このため、同時期に多数掲載しないというのは、提供側としても至極真っ当なことなのです。
更に「オープン化」がもてはやされているけれども、オープン化するとしてもきっちりとしたロールモデルを示すべきだとおっしゃっていました。確かに、オープン化でコケていったサービスのほとんどは、オープン投げっぱなしジャーマンな感じが拭えません。今のところ、様々な施策がLINE上で行われていますが、しばらくはクローズドに進めていく予定のようです。

niconicoの理念。
niconicoはこのブログで、何度も何度も取り上げていますが、既にフリーミアムによる黒字化の壁は超えています。ポータル事業は4期連続黒字を達成しています。

というか、そもそもビジネスモデルは重視していないというのが川上さんの主張でしたが・・・。

それよりも、今niconicoの課題は「リアルとネットの融合」「コンテンツホルダーに対する利益還元」にあるようです。
前者は超会議でやっていたような、ネット上の「ごちゃごちゃ感」をどうやってリアルに持ってくるかという話になります。
勿論、その逆輸入も有効で、超会議は、ネット上でも負けず劣らず盛り上がっていたように、双方向に盛り上がるのがきっと「融合」なのでしょう。
ネットのクチコミが、リアルの盛り上がりをサポートし、それを見たネットが、またクチコミを活性化させる。超会議は少なくとも、その双方が達成されていたイベントでした。

プラットフォームの義務
後者は、私の上司も話していたことですが、プラットフォームがどれだけ活躍しても、やはり価値の源泉は「コンテンツホルダー」にあるということでした。
確かに、プラットフォームは、コンテンツを整理したり、ルール決めをしているに過ぎません。
Googleしかり、Amazonしかり、もっと言えば、ヤマダ電機のような大型電器店もプラットフォーマだと思います。
これらの企業で検索をしたり、買い物をするのは、そもそも多くのコンテンツホルダーの存在ありきなのです。
しかしながら、Porterの5Forcesのうち、交渉力の脅威にある通り、巨大なプラットフォーマーは利益を大きく奪っていきます。
結果、コンテンツホルダーは疲弊し、面白いコンテンツが減っていくという悪循環が起こりえるのです。
ヤマダのような量販店に、日本のメーカーが疲弊させられたように。

その点、niconicoはプラットフォームの社会的義務として、しっかりと富をコンテンツホルダーに再配分する仕組みを実現したいと仰っていました。
確かにそれはあるべき形だと思います。タダで面白いものを作り続けるなんて、絶対無理なのですから。

そう考えると、超会議や超パーティは、歌い手や、動画アップ主に対する富の再配分なのかもしれません。
元々大会議時代から、川上さんは似たようなことを仰っておられましたが、コンテンツホルダーに対する最適な富の再配分は、必ずしも金銭とは限らないのです。

一人一人に小金を渡すよりは、大きくお金を結集させて、コンテンツホルダーの後押しをしてあげた方が、
彼らの後々の活躍につながるし、多分、彼らも嬉しいと思う。そして、そのためなら、dwangoが多少赤字になってもという覚悟もあるのでしょう。それくらい、川上さんはコンテンツホルダーに対して、熱いものを持っている気がしました。でなければ、会長の立場で、ジブリで働こうとは思わないでしょうし。

その中で、超会議は、最適な形を見つけていくのがベストなのではないでしょうか。あまり、川上さんがお金にこだわらないとお話していた意味が少しわかった気がします。

まとまりのない文章ですが、備忘録程度に。


ちなみに、業務提携の話が持ち上がっていましたが、どうなるのかなー。個人的には、動画とメッセージングはまだまだ遠いし、インフラ上の問題にガンガンぶつかる気がするのですが・・・。