足ることを知らず

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フェルミ推定でいつまで学生を測るのか?

フェルミ推定設問では測れないもの
論理的思考力を測る際のケースにフェルミ推定がよく使われているのはご存じの通りなのですが、
正直、長年この問いを続けすぎて、面接の設問としてはコモディティ化している気がします。
とはいえ、論理的に「分解」する力を測りたいのならば、確かに有効な手段だとは思います。
でも、特訓すればこのケースは鍛えられる気がするのですね。参考書は山ほど出てますし。
その人の行動に伴う「深さ」的な部分も同時に捉えられる設問はないのかなぁと。
で、ちょっと考えてみました。

私は「変化への対応力」を知りたい。
私は、論理的思考能力も知りたいところですが、学生という「飼われる庭」のような場所と社会という「開かれた場」で、一番違いが出るのは「変化への対応力」だと思っています。
そこで、最近学生にOB訪問とかされた時に暇潰しにしている質問が下です。
「好きなスポーツのあるルールが今の瞬間に変わったとしたら、そのスポーツの勝ちパターンはどのように変化するだろうか。」

例:バスケットボール「トラベリングが3歩から5歩になったら?」、野球「フォアボールが4つから5つまでOKになったら?」、サッカー「試合時間が45分から60分になったら?」「11人中ゴールキーパーを2人置いてOKになったら?」

この質問を聞く意図は3つです。
①現状の勝ちパターンを理解しているか?:各ルールの意味を正しく理解しているか、ルールに伴って戦略を立てているか
②変化したことがそのスポーツをどう変えるのか?:これまでの戦い方で通用しなくなるものは?ルールが変わったことでどういう攻め方が出てくるだろうか?
③あなたはその変化にどう対応するのか?:ベンチマークに出来るスポーツは?プレーヤーとしての戦略と監督としての戦略を分けて話せるか?

例えば、トラベリングが3歩から5歩になる例では、基本的に「歩く」「走る」スポーツになります。あとは、個人プレイの頻度と重要性が増すでしょう。もしかすると、フットボールに近いスポーツになるかもしれません。
監督としては、パワー重視のプレーヤーを増やす傾向にチームを持っていくし、プレーヤーとしては、より基礎体力の向上に練習のウェイトを寄せる必要があるでしょう。

あまり私はバスケに詳しくないので上記は、かなりチープですが、色々考えられるはずです。
更にもうちょっと深堀していくと、各スポーツのルールがかなりゲームバランスを良くしていることがわかるはずです。
そこまで行くと、なかなか議論としては、面白いなと。
特訓でどうにかなる質問では、意味がないのでは?
私は競争環境におけるルールの変化にどう対応する人間なのか見たいのです。
だから、スポーツは何でもよい。相手の一番好きなものを選びます。
その方が、話す側も気持ち良く話せると思いますし。
しかしながら、その論理構成と、スポーツに対するプレーヤー、マネージャーとしての深堀だけはしっかり聞きたいと思います。
ちゃんと考えてスポーツやってる?っていう話ですが。

どこか採用面接で使ってくれないかなと思ったり。