コメントには良いコメントと悪いコメントがある。
ニコニコにおけるアイデンティティの一つにコメントがある。その他にパラメータとして扱われている再生、マイリストとコメントは歴然とした差がある。それは量的価値以外に質的価値を持つことだ。
良い再生と悪い再生(F5連打は悪い再生かもしれないが)なんていう概念は存在しない。一回の再生は一回の再生以下でも以上でもない。しかしながら、コメントに関しては「糞動画死ね」というコメントと「実に面白い」というコメントと「鳥肌注意・・・」という様々な質的価値を持つものが等価に扱われている。
もっと評価されるべき「コメント」
勿論、不快なコメントに関してはNG設定を行える。逆に「ポジティブな評価」に関してはコメントに対して為されてこなかった。コメントの讃辞は「流れてしまう」コメントで行われていた。コメント職人の技巧はかなり細かい。動画のコンテンツ性を高めるものもあるし、タグに影響を及ぼすものも多い。コメントで持っているような動画も存在する。例えばこれだ。
この動画は一時期(2007年頃だろうか)テニプリと壮絶な戦いを演じながら、ランキング上位に昇り龍のように食いついた動画である。今見ても面白い。実に息の長い動画である。しかしながら、これをyoutubeにおいても何も面白くない。コメントを消したら、10回再生したらさすがに飽きてくる。
このくそみそMADは「多言語翻訳」「ヤマジュンシリーズ朗読」「投球コース」「提供」など様々な『コメント歴史』を経てきた。この動画の歴史はコメントに集約されている。荒らしで盛り上がった100件のコメントと皆が工夫を凝らして面白くしようとしたコメント100件は絶対に等価に評価されるべきではないのだ。
コメントIDに評価を与える
マイリストは自らのアルバムの様に扱われているので、公開した場合、はてブの様に周りから評価される道がある。しかしながら、コメントに関しては一定人物に対してそのような評価はされない。「○○さんのコメントが見たい」というニーズは少ないだろうが、「こんな面白いコメントや職人芸をする人が他の動画でどんなコメントをしているか見たい」というニーズは恐らくあるのではないだろうか。そういう動機で動画を渡り歩くのもニコニコだから出来るかもしれない差別化ではないだろうか。
もっとコメントを考えよう
動画を改良したり、再upすれば全てのステータスはリセットされる。ステータスを維持したまま、動画をリニューアル・新鮮味を与える方法はたった一つ。
『コメント』しかないのだ。
コメントは特定の物以外すぐに流れてしまう。だからこそ、すぐに消えてしまう花火の様に動画に常に新鮮さを与える。コメントの新陳代謝と質は動画の大きなパラメーターになりうるのだ。
もっとコメントをしよう。そして、面白いコメントを盗もう。「もっと評価する」ことでコメント力を磨く一つのインセンティブになればと思う。