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鳩山偽物問題に見るTwitterの罪

詳しい問題の経緯はニセ鳩山由紀夫ツイッター(twitter)事件について速報まとめ[絵文録ことのは]2009/12/25をご覧下さい。


何故こんなことに?
今回の問題は何故、鳩山首相を本物だと判断し、フォローを行った人がここまで増えたのかということである。

Twitterはそこそこwebリテラシーの高い人で構成されていると思っていた。でもよくよく考えると、オバマでないオバマアカウントは世界中でやたらとフォローされているし、今回の様に偽物を本物と思いこんでフォローするといった事象は頻繁に起こっている。


これにはTwitter民ならではの「意識の高さ」が挙げられる。Twitter民は非常に情報収集と発信が上手い。社会的地位も高い人が多い。即ち、発信者の信用度が匿名掲示板とは段違いなのである。そして、RTという制度で出来たてのコピペが山ほどのユーザーにリアルタイムで広がるのである。他webツールとの親和度も非常に高い。

一瞬にして炎上する。逆に鎮火も速い。しかし、昨日の夜に「鳩山さんTwitter始めたの」というTLもあった。嘘のまま、真実を知らない人もそれなりに存在するのである。



何が困るの?


一つ目は偽物による本物のイメージ低下だ。今回だって、総理という注目を集める立場だったからこそ、下手をすれば政治的議論に発展する可能性もあった。そこで無知な発言をすれば、一瞬にして広まってしまう。逆に言えば、これを防ぐ唯一の手段は「Twitterをしない」と明言するか、公式アカウントを本物自ら作成してしまうことである。

そして、もう一つが「本物を本物」と認識できないということである。孫さんが24日にTwitterを始めたが、本物?という発言がいきかった。Twitter自体が狼少年の様になってしまったのである。

そして、3つ目が意図しない嘘つきを作ってしまうことである。嘘を嘘と思わずRTした瞬間、本人にその気はなくても、そのアカウントの発言は「嘘」になる。若しくは騙された間抜けな人間だ。






Twitterの罪


匿名性が低いアカウント制であり、「皆に既に広まっている」という既成事実が信憑性の低い噂を真実へと昇華させてしまう。メアドさえあれば、なりすましは簡単なので匿名性は低くないし、皆に広まることはとても簡単なので信憑性も高いとは限らない。実は嘘蔓延ツールとしても使えてしまうのである。

偽物アカウントはフォロワー数の多さや関係者をフォロアーにすることで、その嘘を「真実」に変えてしまうかもしれない。虚言もRTによって真実に変えられるかもしれない。その危うさをまだほとんどのTwitterユーザーは認識していない。

結局、騙されたユーザーがフォローやRTを行って更に多くのユーザーを騙していくという構造に対する抑止装置が嘘を証明したソースを広げるということしかない。

2chと違って、人間関係があるのでストレートに「それは嘘だ」と言いにくい。これも広がる種になってしまう。

2chでは「ソースよこせ」という言葉が流行ったが、Twitterでもその言葉が流行るのは時間の問題だ。「嘘を嘘と見抜けなければTwitterは使えない」のである。