足ることを知らず

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時代と共に変わるニコニコランキングの素晴らしさについて。

最近、毎週月曜日が結構楽しみ。理由は週刊ニコニコランキングの更新日だから。

初期(2007年頃)と現在
この週刊ニコニコランキング、2007年頃は2週間に1回見ても、ほとんど動画のラインナップが変わらないことも多かった。最近は動画入れ替えのサイクルが速く、1位が新着で前回の1位が20位程度に落ちるなんていうことが結構起こっている。となると、ランキングを見る価値は倍増する。カウントダウンTVとかを見ていて思うのだけれど、ほとんどラインナップが変わらない時がある。確かに長期のヒットが出ることは素晴らしいことかもしれないが、1ヵ月連続ランクインなんていうことがあると少し飽きてくる。


何故、面白くなったのか

考えてみたのだが、ニコニコランキングを取り巻く環境、ランキング動画自体について2007年創業?当初から大きく変わった点が二つあると感じている。


一つ目。動画投稿数・蓄積数の増加。
これによって上述の様に「動画の人気サイクル」が速まって、新鮮な情報の価値が向上した。加えて、動画の数が多くなったために「何が面白い動画なのか」「面白い動画を見逃していないか」という疑問・不安を解消するツールとしても有効になった。

特にニコニコでは「流行っている動画」を流行っている時に見るのが結構重要だったりする。はてブに関しても同じことが言えるが、盛り上がっている時が一番関連情報や動画等を手に入れやすい。何よりコメント職人等の手で、視聴者側からコンテンツの魅力を向上させているため、動画自体もかなり面白いのである。

また、カウントダウンTVの様な音楽系ランキングと決定的に異なる点として、昔投稿された動画が再びランキング上位に上がってくることがある。今週でいえば、クレヨンしんちゃんの作者・臼井義人氏の追悼動画なんかがランキング上位に来ていた。社会情勢やニュースを反映して昔投稿された古株動画のランクが再び上がるというのは実に面白い


二つ目。ランキングを決定するための計算式。

ニコニコランキングとは (ニコニコランキングとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

ランキングの計算式

ニコニコランキング(以下ニコラン)はランキング作成にあたって独自の計算式を採用しており、集計期間中での再生数、コメント数、マイリストの各項目の増加数から決定される。ただし、ランクインしてる項目限定であるため、300位以内に入らないと数値はゼロ扱いである。マイリストに関しても減少するケースがあるがこれもマイナスとして計算することはなく、あくまで数値上はゼロとして計算される。


計算式の遷移
再生数+コメント数+マイリスト数*10

初期の頃の計算式であり、かなり長期間この計算式は採用されていた。次第にユーザーの数が増加され、再生の数やコメントが全般的に上昇、その割にはマイリストはそこまで増加しなかった。相対的にマイリストの数値の価値が下がったため、是正が行われる。


再生数+コメント数+マイリスト数*15

一応はこの計算式で落ち着くものの、次第にコメントだけでランクインする動画の扱いに対して議論がしばしば湧き出るようになる。詳しくは「除外に関して」の項を参照。


再生数+(コメント数*補正値)+マイリスト数*20

スクリプトや投稿者ボタンが突然実装されたため、クリック一つで簡単にコメント数が増やせようになった。今までの計算式のままでは上位がこの手の動画で埋まってしまい、ランキングとして機能しなくなる。このため急遽計算式を変える必要があり、臨時的にVocaloidランキングと同じ計算式が採用される。具体的な説明は割愛するが、この計算式はコメント数が全体のポイントのうち占める割合が大きいほど補正が強くかかり、コメント数の数値が減少する仕組みになっている。議論する暇もなくスクリプトが実装されたため、この計算式が採用されたその週に対しては仕方ないとする面も強かったが、あくまでVocaloid用のランキング計算式であり、ニコランとして採用するには「マイリストの比重が強すぎる」「コメントがほとんど形骸化してる」などの意見により、
数週間で計算式が変更された。


再生数+(コメント数*補正値)+マイリスト数*15

まずマイリストの比重がもとに戻されたが、それ以上に重要なのが補正値の項であり、再生数を超えない限りは補正がかからない、つまりコメントの数がそのまま適用される。再生数を超えた場合は超えた部分のみに補正がかかる。これにより大半の動画に対して影響を及ぼすことなく、コメント(だけ)が極端に多い動画を抑止することに成功した。なお、月刊ランキングもマイリストの項こそ違うものの、現在はこの補正方式を採用している。


再生数+(コメント数*補正値)+マイリスト数*20

♯87(1月第1週)より、マイリストの比重が再び15倍から20倍へと戻された。これが現在の計算式であり、しばらくは継続されるものと思われる。

ニコニコの歴史と共に変化してきた計算式
コメント数やマイリストに関して、精度のいい係数を長らく模索してきた。再生数、コメント数、マイリスト数の3つが大体同じ数になるように計算されるのが現在の式だと考えられる。マイリストに関しては20視聴動画につき1つ程度マイリストに登録すると考えると、悪い精度でないように思える。ただし、コメント数に関しては再生数を超えないように設定はされているよう。

本当はそれぞれのパラメーターの偏差値を出したりするとかなり精度の高いランキングになるのだろうが、現段階でも全く問題はないかなと。ただ、有料会員の比率がこれから増えていくのならば、100のマイリスを想定して作られた20の係数は少し高いかもしれない。


まとめ。変化していくランキング。
これらの変化があって、ランキング30位以内に「?」と感じる様な動画や「またかよ」と思う動画が少なくなってきたことがニコニコランキングが面白いなぁと感じるようになった理由です。

よくよく考えると、本来はランキングって対象・目的に合わせて変化すべきものなのかもしれない。CDなんて、ずっと何枚売れたっていうランキングだし、着うたもDL数でランキングを取ってるけど、音楽の場合itunesでの合計再生数とかでランキングしてもいいじゃないか。



今は再生数20000程度だけれども、もう少し伸びてもいいかなと思います。ある意味、2chでいう「まとめblog」と「はてブ」の組み合わせと同じ構造があると思う。結局数多くの動画(スレ)の中でどれが面白いの(はてブ)というようなパラメーターを加えたものですからね。あと、ニコニコランキングのタグは毎回秀逸。ランキングを見終わって「そういうことか」と思えるタグが多いので。検索のためのタグではなくて、コンテンツに対するコメントとしてのタグになっている。まぁ、視聴しなくてもリンクのランキングマイリストhttp://www.nicovideo.jp/mylist/14964315のみ閲覧するという手も使えますね。


情報・コンテンツサイトの充実度はこのような精度が高く、楽しめるランキング・パラメーターが1つの指標になると思います。

ロングテールの世界では情報の「切り口」がかなり重要になってくると思う。ただ単純に一義で切るランキングは参考にはなっても、もう楽しめない。