足ることを知らず

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「ニコニコ動画とyoutubeの最も顕著な差がコメント機能」なんていうのは最早時代遅れだと思う。



ニコニコ動画youtubeで最も顕著な差としてよく取りあげられるのは「コメント機能」である。確かにこれは表面的にわかりやすい差だとは思うけれども、これがニコニコとyoutubeの最も大きな差だとは思えない。

コメントで一体感が出て、茶の間が再現される的な話があったけれど、コメント職人のようにコメント自体がコンテンツの一部となる場合も多い。また、コメントをする人はするが、しない人は結構多い。私もコメントを愛でる専門で、コメントを自分から投稿することはほとんどない。即ち、(アンケート系の動画を除けば)コメント反映済みの動画をyoutubeに貼ってしまうことでなくなってしまう差なのだ。

では何がニコニコとyoutubeの最たる差なのか。

私の場合、ニコニコとyoutubeでは動画の見方はほぼ変わらないが、「探し方」は全く違う。ニコ動もyoutubeも相当数の動画を有するサイトだけに、効率の良い「探し方」は結構クリティカルな要素なのだ。

私の場合、youtubeでは「検索」、ニコ動では「タグ・マイリス数等のデータ」を使っている。
youtubeでは検索窓を使う確率が10回に7回程度である。逆にニコ動ではタグを使う確率が結構高い。これが何を示しているのかというと両者のフィードバック機能の差に起因している。


私はyoutubeは「Amazon的」であり、ニコ動は「はてブ的」ユーザーフィードバックを行っていると感じている。

即ち、星やコメントの内容で評価を行い、ユーザーのフィードバックを一つ一つを重視しているyoutubeというのはいわば「『個に則した』Amazon的」レーティングである。
対して、再生数、コメント数、マイリスト数等の「総数」が重要な指標となるニコニコ動画「『全体数に則した』はてブ的」レーティングであるといえる。

どちらが有効な評価指標かというのは、難しいところではあるが、こんな資料もある。
YouTubeが5つ星級の発見:評価システムは無意味だった | TechCrunch Japan

1つ星が少しと大量の5つ星があって、2、3、4は事実上ゼロだ。というわけでYouTubeが今日(米国時間9/22)のブログ記事で、スターシステムはビデオの評価には必ずしも適していないことを認めた。

もちろん、しばらくYouTubeを使ったことのある人なら、既に知っていることだ。さらに言えば、あらゆる5つ星評価システムに、同じことがあてはまる。ビデオ(に限らず何でも)が良いか悪いかは簡単にわかるが、いったいどうやって2つ星か3つ星か4つ星かを決められるというのか。誰もがこうした評価について独自の考えを持っていて、当然それは全くの主観だ。


という話からすると、実は「マイリスするか」「マイリスしないか」という二項対立の意思決定が繰り返された結果である「マイリスト数」というのは5つ星評価体系よりも結構参考になる値なのかもしれない。

こういう機能ってAmazonのような通販サイトには反映されれば面白いなと思う。ただ、「皆が評価しているから面白い」的な発想自体、日本だけの文化な気もするが。

楽天頑張れ。