足ることを知らず

Data Science, global business, management and MBA

日本人の英語学習は思ったよりも闇が深い

イギリスに来て3年になるけれど、思ったよりも英語学習というのは奥が深くて、闇も深い。

TOEICはあてにならない

このご時世様々なテストがあるが、特にTOEICは活きたEnglishのテストというよりは、テストのためのテスト対策がしやすい。なので、800くらいのスコアはそれなりに頑張れば、地力の英語力が低くても取れてしまうと思う。兎に角一番の理由はフォーマットが決まっていて、リスニングも聞き取りやすい「準備された環境」であること。野生のネイティブはそんなはっきりしゃべらないし、実際にはアホみたいにうるさい環境で音を聞き、明らかに短時間で多目的のために文章を処理せねばならない。次に大きな理由はWritingとSpeakingがないことで、この2つのスキルは兎に角対策が比較的取りにくいことが挙げられると思う。正直、初回のテストが600点でも、2ヶ月踏ん張れば、800取れてしまうのがTOEICだと思う。それに比べ、TOEFL、IELTSはそれなりに実際の英語能力を反映していると感じる。

 

日本人の英語学習のレベルの違い

まずはみんなTOEICで800を取れるようにならないと、まず英語学習のスタート地点に乗ってこない。その上で、次のレベルに行くわけだが、実は日本の義務教育はそれなりにきっちりと総花の英語を教えている。(極めてPassiveだが)

ただ、それを①理解できるか、②使ってみることができるか、③使いこなせるかという3点に関しては、それぞれに天と地の差がある。全員義務教育で現在完了は習ったはずだが、それを実際の文章にどれだけ使えるのか?また使いこなせるのか?

イギリス人とアメリカ人とその他の国の人間でどう現在完了と過去形を使うかを使い分けることはできるだろうか?更に過去完了継続形などの発展系統を正しく使えるだろうか?

 

なぜこんなに英語学習が大変なのか

イギリスに来て、なぜこんなに日本人の英語が他国に比べて遅れているかを考えた結果、至った結論は、なかなかネイティブレベルと荒く英語を使うレベルの差がいまいち理解されていないからだと思う。完璧な英語を使う人間に関してはそんなに他国に比べて遅れをとっているとは思えない。問題は、ラフに英語をしゃべることのできる人数が少ないことにあると思う。

 

一方で、海外で生きていこうと思った人間の努力は終わることがない。日本で育った場合、発音、ヒアリング、単語、文法、全て含めて、ネイティブになることは多分できない。あまりに学ぶことが多すぎるし、特にボキャブラリーが増えると、それに付随して単語の使用の妥当性についての確認は指数関数的に増えていく。そしてその感覚は今までの会話量と読了量に依存するので、そんなに簡単にネイティブに追いつくことはできない。

 

言語能力は劣化する

更にややこしいのは言語能力は劣化するということだ。しばらく英語を喋らなければ、確実に単語が出てくるスピードが落ちる。これが言語は活きた言語と言われるゆえんである。今、筆者はスペイン語も学び始めたが、スペイン語を同時に学ぶと色んなファクターがごちゃごちゃになる事がある。そういう学習に慣れていないということも大きいと思う。

 

日本人の英語学習はどうするべき

全く具体的な対策はないけれど、TOEICに意味を感じなかったら、それなりに大枚をはたいて、IELTSを受けてみるのはすごく良い機会だと思う。IELTSのSpeakingはすごく良いPracticeになる。

次にネイティブでも英語下手な人でもなく、そこそこ英語を軸に仕事を集められている同僚をベンチマークにおいて英語を学習すること。それがピュアなあなたの会社での力学だと思う。

最後に英語を学習すること以上に、英語が必要な環境に身をおくことが重要だと思っている。いらないことを勉強できるほど人間は強くない。だから、興味をわかせるだけの必要性をあなたの日常でどうデザインするかが重要なんだと思う。