足ることを知らず

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ニコ動が超優良事業になり始めた件

ドワンゴの平成22年9月期第1四半期決算発表を見たのですが、ニコ動が尋常じゃなく収益性を上げていました。
株式の状況|IR情報|株式会社ドワンゴ


まずは会員数の推移から。

※1無料会員と有料会員の比率は若干下がっているようにも見えますが、会員数というのは広告費につながる指標なので、右肩上がりはいい傾向です。




ひろゆきさんが言っていた「一般ユーザーを入れる」効果は多少たりとも出ているのかもしれません。
参考:ニコニコ動画(9)をこれから初めていじる人へ - 足ることを知らず〜Don’t feel satisfied 〜

そういえば、遂にナショナルクライアント(doco○o)がバナーを出していました。夏野さんのコネクションもあるのかもしれませんが、やはり広告枠としての価値が上がってきたということではないでしょうか。


会員増で気になるのがコスト面です。回線費が気になるところですが・・・。

やはり若干増えています。



といってもポータル事業の売上高は前四半期の約2倍。

案外、屁でもないだろうと思ってしまいます。
やはり、この売上高の成長を支えたのはプレミアム会員による収益でしょう。


2009年6月(約37万人)〜2009年12月(約62万人)にかけて1.7倍に増えているのです。
以前、ニコニコ動画のプレミアム会員広告がひどい。 - 足ることを知らず〜Don’t feel satisfied 〜というエントリで散々、「こんなんで増えるわけねーだろ」とこきおろしたのですが、滅茶苦茶増えました。おみそれ致しました。※2






この会員数の増加による一年あたりの売上高増を考えると
500 × 250,000 ×12 = 1,500,000,000(15億)円
ドワンゴの売上高の6%位でしょうか。



会員数がこのまま1年間(6月〜12月のペース)推移していくとして、来年の12月における1年の有料会員収益はどの程度になるのでしょうか。

なんと5,220,000,000(52億)円。(計算方法は要望があれば、コメント欄で紹介します。)会員数は約110万人程度まで増えるという概算です。

これが実現すると、現在のドワンゴの売上高の25%に相当する金額になってしまいます。





そもそもドワンゴの成長がポータル事業によって支えられ始めています。

ポータル事業の売上高構成比率8%→12%ですが
売上高成長の構成比率を見ると34.1%
ニコ動の成長がドワンゴの成長も後押ししているといってもおかしくないのです。


有料会員収益でこれだけ売上高のあるサイトってあるんだろうか。顧客単価の高い、ネトゲとかは別にして。

Youtubeの売上が2008年で確か100億位(完全うろ覚え)だったので、ニコ動の総収益(広告費と合わせれば)と比較すると、日本だけで稼いでいるとは思えないサイトになります。



ここ最近、一番目立つバナーで有料会員の勧誘をやっているから、「自社広告なんてもったいないなぁ」と思っていたのですがとんでもない。「もっとやれ」と言ってもいいくらい。歪んだフリーミアムの多い日本でよくこれだけやっていると思います。
参考:日本独自のフリー - 足ることを知らず〜Don’t feel satisfied 〜

やはり、ニコニコはフリーミアムで突っ走るべきなのです。


Youtubeとガチンコで喧嘩をしないというのがこれからの動画サイトに大切なことなのかもしれません。あくまでも日本ローカルの動画サイトとしての個性を失わないということ。

結局、動画サイトが広告で食っていくのならば、動画数であったり、ユーザー数が大事になってきます。そうすると、Youtubeのような無機質ながらも巨体を誇っているサイトには勝てないのですね。フリーミアムモデルで食っていくのならば、コンテンツの質だったり、滞在時間だったりと物量から質の試合へなんとか持って行けるわけです。勿論、量と質が独立関係にあるわけではありません。ただ、youtubeとしばきあうときに量と質なら勝ち目があるのは質だろうということになるわけです。

例えば、mixiGREEのケースは好例だと思います。2006か2007年位でしょうか。mixiが日本国内のSNSとしてクリティカルマスを取りかけていたとき、GREEは途中でガチンコ勝負をやめました。会員数でしばきあっても、もう勝てない。ならばと、オンラインゲーム主軸に勝負する場所を変えたのです。今や、GREE企業価値mixiを圧倒、会員数でもmixiに迫る勢いです。

クリティカルマスに達した巨人に得意科目でぶつかっても絶対勝てないのです。


さて、ここからのニコニコの最大課題は「無料会員を如何に有料会員にしていくか」ということだと思います。今回発表された指標で唯一気になったのは無料会員に比べた、有料会員の比率は恐らく低下しているということです。(グラフを見る限りなのでわかりませんが、少なくとも爆発的に伸びているということもないはず。)
広告で簡単に引っかかる僕みたいな無料会員は釣り切ったでしょう。結局、無料会員は「無料状態」が当たり前なので、いくら言葉で有料会員の魅力を訴求されてもピンと来ないのです。画像でこんなに綺麗と言われてもイマイチわからないはず。
逆に有料会員になってから、無料会員には(個人的な意見ですが)、とても変えられません。
タブをいっぱい開けないし、エコノミーは最近、動画がワープ(飛ぶ)する場合が多いし。

ということは、「有料会員の維持」には恐らく成功しているのです。
有料会員のメリットは、「有料会員」が一番知っているからです。


そうすると、出てくるアイディアとして、無料会員が時間や、会員番号限定で「有料会員」の待遇を体験するなんていう企画が出てきます。

ただ、結構容易に出てくる案なので、実際はサーバー負荷だったり、いろいろの事情で無理なのでしょう。
まぁテレビCMでエコノミーとプレミアムを比較してみるなんていうのも面白いかもしれません。効果測定は出来ませんが。
まぁ、それ以前にひろゆきさんが代理店大嫌いっぽいので、これは実現しそうにない。


脱線しましたが、兎に角、ニコニコが遂にビジネスとして凄いところまで来てますよというお話でした。


以下、決算報告書のポータル事業に関する文面です。

ポータル事業においては、ニコニコ動画が平成21年10月に「ニコニコ動画(9)」にバージョンアップし、更なるユーザの利便性向上に努めてまいりました。サービス面においては、音楽やスポーツ、芸能やニュース・情報など、
各種コンテンツをリアルタイム配信する「ニコニコ生放送」の積極的な展開や、年齢・性別に拘らない様々な嗜好を持ったあらゆるユーザに対応するべく、「ニコニコチャンネル」の拡大を図るなど、一層のサービス強化に努めてまいりました。
これらの取り組みにより、平成21年12月末には登録会員数1,528万人、様々な特典が受けられる「ニコニコプレミアム会員」は62万人、携帯電話でも楽しめる「ニコニコ動画モバイル」の会員数は459万人となりました。
収益面においては、引き続き「ニコニコ生放送」の人気や、入会導線の多様化などにより「ニコニコプレミアム会員」が増加し、有料会員収入が大きく貢献しております。また、経済環境などの影響から伸び悩んでいた広告につきましても、季節的な要因があるものの平成21年12月にはサービス開始以来最高の収入を上げる事が出来ました。その他の収入につきましても、小幅ながら着実に伸張しております。
費用面においては、回線やサーバなどのインフラ費用の増加は落ち着き、集客・収入に直接結びつくサービスへの先行投資や、ユーザのロイヤリティ向上を目的とした日本全国8ヵ所を巡るユーザイベント開催費用などが発生しており、未だ収益への貢献には至っておりません。
以上の結果、ポータル事業の売上高は12億99百万円(前年同期比104.2%増)、営業損失は1億38百万円(前年同期は4億75百万円の営業損失)となりました。

※1訂正
誠に恥ずかしいことに、モバイル会員と有料会員を見間違えていました。本旨にそこまで関わりが深いデータではないので、一応訂正はこの部分だけにしておきます。twitterはてブでご指摘下さったmyrmecoleon様有難うございました。

※2補足

まろ on Twitter: "カウントを"みんなで"1減らして、目の前で記念すべき瞬間に立ち会える!という(つづく RT @yang8: 教えて下さい! RT @ishihara: ニコ厨端くれとして正解と思われる解を教えたい。 RT @yang8: 潔いw > http://bit.ly/deSN9H"

IshiharaさんがTwitterでつぶやいていたこのtweetが結構、腑に落ちる仮説でした。

ただ、個人的にはそんなこと500円も払ってしたくねぇと思いましたが(笑)