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クルーノー競争とベルトラン競争

前者はゲーム理論における概念で後者は寡占市場における概念。


ナッシュ均衡を簡単に説明すると

ナッシュ均衡 - Wikipedia

ナッシュ均衡は、他のプレーヤーの戦略を所与とした場合、どのプレーヤーも自分の戦略を変更することによってより高い利得を得ることができない戦略の組み合わせである。ナッシュ均衡の下では、どのプレーヤーも戦略を変更する誘因を持たない。

純粋戦略ゲーム (Pure strategy game) とは、参加者 (プレーヤー) が必ずどれかの戦略を選ぶゲームである。例えば、以下の表は、二人のプレーヤー Pa と Pb がそれぞれ戦略 (A1 または A2) と (B1 または B2) を選べるときの、それぞれの利得を示す。並んだ数字の左側は Pa の利得、右側は Pb の利得である。

Pa/Pb B1 B2
A1 5, 2 2, 4
A2 4, 6 1, 6

まず Pa の利得に注目すると、Pb がどちらの戦略を選ぼうが、Pa は A1 戦略を選んだ方がより大きな利得を得ることができる。このような関係が成り立つとき、A1 は強支配戦略であると表現する。支配するとは、ある戦略を選ぶことが他方の戦略を選ぶより有利であるという意味である。

次に Pb の利得に注目すると、Pa がどちらに戦略を選んでも、B2 戦略を選んだ方が B1 戦略のとき以上の利得を得られる。Pa が A2 戦略を選んだ場合には B1 と B2 は同等になるので、このような関係のとき B2 は弱支配戦略であるという。

結果として、Pa にとっての最適戦略は A1、Pb にとっての最適戦略は B2 となり、両者ともここから戦略を変更しても利得は減る可能性がある。この組み合わせ (A1, B2) がナッシュ均衡となる。


ナッシュ均衡は必ずしもパレート効率ではないというのは、(A2, B1)というPa、Pb ともにより大きな利得を得る戦略が存在するからです。
よってナッシュ均衡とパレート効率が同じではないこの状況を「囚人のジレンマ」と言うわけです。
パレート最適という言葉がありますが、あまり宜しくないようです。
パレート効率性 - Wikipedia


で、クールノー競争とベルトラン競争というのは

クールノー競争

各企業は産出量を通じて競争するが、そのとき他のライバル企業は産出量を変えないと信じて、自己の利潤を最大にするように自己の産出量を決定する。

ベルトラン競争

各企業は価格を通じて競争するが、そのときライバル企業は価格を変えないと信じて、自己の利潤を最大にするように自己の価格を決定する。


即ち、通じて競争するものが供給量と価格であると。
クルーノーの場合はパレート効率は満たされておらず、消費者余剰がかなり削られています。
逆にベルトラン競争の時点では完全競争の状況とまったく同じで、価格が限界費用と等しくなっています。

ライバル企業が価格を上げた場合、自社の株価は高くなりますが、ライバル企業が生産量を上げた場合、自社の株価は低くなります。となると、ライバル企業としては生産量を上げた方が有利になるので、上げますよね。だから完全競争とはかけ離れているわけです。

自分の研究とつなげるために無理やり株価という言葉を入れましたが、そこは利益で全く構いません。