足ることを知らず

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広告人のあるべき姿

広告人のあるべき姿というのは本当に難しいと思っていました。




結構多いのが「面白い人」とか「面白いことを考えつく人」。

ただこれは資質の問題であって、資質というのは「あるべき姿」ではない気がする。「あるべき姿」というのはむしろ精神論の方面というか、姿勢の問題ではないでしょうか。


で、最近気になったのは某広告代理店の「世の中に企みを実現したい人」というフレーズ。

いいとは思うんです。


「何か面白いことぶちかましたい!」
「世の中のヒトの笑顔を多くしたい!」
「皆が注目するようなモノを作って驚かせたい!」

大いに結構だと思うんです。

でもね、mb101boldさんのこのエントリーたまには広告の仕事のうれしさについて語ってみてもいいですか: ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)を見て思ったんですよ。

上の「目立ちたい」みたいな想いって広告というよりはコンテンツホルダーだったり、メディアじゃねぇか?と。
いや、勿論広告代理店も大きなところはコンテンツホルダーになっていますし、メディアも飲みこんでいますから正しくないとはいいません。

でも、広告、promotionの立ち位置はあくまで経営と消費者を結ぶことだと思うんです。そこに現れている障壁をぶっ壊すことでもあるでしょう。(※最近は消費者を生活者と呼んでますが、それはマーケティングから生まれた理論です。そもそも、広告のマーケティングというのは経営のそれとは少し違うと感じているので、あまり言及しません)結局、広告代理店にお金を出しているのは「派手で大きなことをする」対象の生活者ではなく、クライアントです。

そのクライアントの商品や、会社自体を愛せなくてどうして「大きなことが出来るのか」。

今広告代理店は兎に角バリューチェーンを広げようと躍起になっています。クロスメディアという概念は勿論生活者に訴えやすいという側面もあるのでしょうが、一番は「巨大権益であるメガ媒体の生きる道を見つけたい」というのが本音でしょう。

4Pという経営行動の中のpromotionを軸にして、課題解決の幅を広げていくことがきっと「大きくなる」ことだと思うのです。個人としても会社としてもここを見失ってしまうと、「仕事の意義」まで見失ってしまうのではないかと感じています。

その意味でもmb101boldさんのような広告人というのは「広告」そのものの本質をしっかりつかんでいると思います。そんな広告人にいつかなりたいと切に感じたりしています。