チップ不足の背景とそれが生むいくつかの可能性について
チップ争奪戦の始まり
IBMがここから大規模なチップ不足に陥ると発表して、はや2か月。
早速トヨタから、最大40%の減産のニュースが出た。
クルマの部品コストのおおよそ30~50%が電子部品と言われる。今回のニュースはさらにその割合を押し上げるだろうし、もはや電気自動車に至っては電化製品に近いコスト構造、テクノロジートレンドになると思う。
そうなると、チップの行く末はどこに、という話になる。処理量も勿論だが、消費電力を抑える環境にやさしいチップはサステイナビリティの観点から間違いなくトレンドの先端を行くだろう。
そもそもチップの高騰の背景にあるのは、仮想通貨による需要の爆上げがある。プロセッシングパワーと電力がそのままRevenueにつながる、マイニングというビジネスが出てきたことによって、チップそのものが、投資とリターンの関係性をより把握しやすい投資対象になったわけだ。
こうなると、NVIDIAの株価は落ちることを知らない。
よって全く真逆の順番で書いたが、正確には下記のような因果展開となるだろう。
①仮想通貨によるチップ需要の増加
②全世界的なチップ供給の不足
③様々なエンドプロダクトの普及不足
④チップメーカーの株価高騰
⑤チップ生産地域の国際的な重要性向上
⑤にさらっと書いたが、実はこのチップ価格の高騰がチップの生産地=台湾=米中の環礁地域の対立をより深めている。