足ることを知らず

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Co-CEOの文化

コロナで共同経営者スキームが増えているらしい

More businesses are trying co-CEO leadership models

 

コロナ禍で経営者もメンタルヘルスの課題にぶち当たるようになり、その責任を分散する意図でも共同経営者モデルを採用している会社がいくつかあるようです。

 

その一方でSAPのように共同経営者モデルを解消し、より明確な責任範囲を設ける会社も出てきました。

 

Digidayの記事では、そのほかのメリットとして、Diversity等が挙げられていましたが、強烈なリーダーシップと責任とのトレードオフにならざるを得ない気がしています。

 

所謂GAFAMも強烈なリーダーシップのもとに成立した企業が多いのですが、唯一Googleはその中でも分譲性の強いリーダーシップを導入した企業と言えるでしょう。若かりし二人の共同経営者、ラリーとセルゲイをうまくコントロールした成熟した経営者、エリックシュミットの時代は、Googleが最も成長し、そしてイノベーションを起こしながらも、大企業としての健全性を獲得していった時代でした。

 

Co-CEOを採用すべき時、しないべき時

Here’s When It Actually Makes Sense to Have Co-CEOs | by Joe Procopio | Marker

 

Salesforceのco-CEO体制の失敗を取り上げて、co-CEOの弱点である責任所在の不明確性やトップメッセージの不明瞭さを例示しています。

 

採用すべき一番の時としてスタートアップの創業期をあげていますが、シンプルにCEOというものにはバックアップがなく、キャパシティがオーバーした時点で、会社としては転落に一直線という非常にリスキーなロールであることを指摘しています。

 

すなわち必要なのは共同創業者ではなく、CEOの延長版、拡張版、後継者候補であるCEO2であり、同様の権限を持つものの、CEO(1)のメッセージを不明瞭にしないことや、最終的にCEOの思想や思考を体現できることが大切であると言っています。

 

co-CEOの成功例としてOracleを挙げていますが、二人ともOracleの権化ともいえるLarry Errisonにレポートしているので、ある意味CEO2、CEO3的な動き方をしているとも言えますよね。

 

co-CEO制度を採用する際の鉄則

過去にそこまで成功例が多くない、大企業だと更に成功例が少ないのは理解できるが、成功するために守るべき鉄則はないのでしょうか?

knowledge.insead.edu

フランス/シンガポールベンチャーであるINSEADがco-CEOについて、上記の記事をあげてくれていました。

共同経営者のプラス

・異なるスタイルのコラボレーションによるクリエイティブな経営

・リスク、プレッシャーの分散

・コラボレーティブな会社文化の醸成

 

共同経営者のマイナス

・リーダーたちの個性、会社文化、国の文化がうまくかみ合わないとワークしない

・意思決定のスピードの遅れ

・個人の関係性が悪くなった時の会社へのリスク

 

成功へのガイドライン

・ミッション、ビジョン、コアバリューへの合意と立ち返り

・リーダーたちの責任範囲の明確化

・SMARTなゴールへのアカウンタビリティ(Specific, Measurable, Achievable, Right, Time)

・意思決定を行うための権限移譲

 

対人関係のガイドライン

・己をよく知ること、互いに任せることを明確化する

・積極的なコラボレーション

・積極的なコミュニケーション

・正直であること

・信頼関係

 

日本ではベンチャー外聞かない「共同経営者」

日本でもベンチャー以外はほとんど共同経営者の名を聞くことはありません。黎明期のスタートアップはビジネスサイドとテックサイドという分け方をしている場合が多いですかね。

あとは会長、社長の二頭体制が結構日本だとco-CEO的にワークしていることが多いかもしれません。