足ることを知らず

Data Science, global business, management and MBA

AIの過剰評価と過小評価

一昔前のDMP(Data Management Platform)もそうだが、特にこの業界においては「よくわからんがすごい(と言われる)もの」に関しては基本的に過剰評価と過小評価が入り乱れ、実質何が出来るかということを把握できている人間はとても少ないように思う。

その筆頭がAIだと思う。先日、コピーライティングをするAIや広告運用を自動化するAIが出た。双方とも、未来の広告業界をよくするためのとても大きな一歩だと思う。
ただ、AIの定義すらきっちりと把握していない人が、AI、AIすげーすげー、人間いらないじゃんと叫んでいるのを目にして、ちょっと食傷気味です。私。


下記リンクにあるようにAIはMachine learningとか、NLPとか色んなジャンルを全部含んだいわば「集合体ワード」なのだ。
https://www.codeproject.com/KB/AI/1182210/Def.png

この集合体ワードがバズること自体がとても気持ち悪い。例えば、Deep Learningの中のConvoluitional DNNでGPUを上手く使った事例が出たのが、何故か「AIはGPUで飛躍的な進化を遂げる!」となる。
これ、「台湾旅行のおすすめは九份!」が「九份で旅行の楽しさ倍増」くらい気持ち悪い。意味分からない。

この領域のめんどくさいところは、実質何が起こっているかを突き詰めるのはほぼ不可能に近い。だからそこは学ぶ必要はないが、せめて実質的なOutcomeに関してはシビアに判断する目を持って欲しい。AIが何が出来て、何が出来ないのか。もっというとAIの中でも何に分類される技術を使っているのかくらいは確かめる姿勢を持って欲しいのだ。ビジネス側の人に。

原理的な理解はもうプロにも不可能な領域に来ていると思う。というか厳密な理解をそもそも必要としていないことのほうが多い気がする。もう最新の機械学習アルゴに関しては、内側で何が実際に起こっているのかをきっちり検証、解釈することは不可能に近い。学問的な視野よりも実用的な視野が強くなっている気がする。要するにデータサイエンスは少しエンジニアリング領域に寄っていっている気がするのだ。(これは100%主観です)

一方で、AI大したことないですとか言っちゃうと本当に過小評価をしてくるのもこの領域の特徴である。特にCPUのパワーが足りなかった一昔まえのAIブームの際は全く同じことが起こったのだと思う。「あれ?おもったよりしょぼいじゃん?」という感じ。

今はマシンパワーが追いついてきたこともあって、しょぼい場合は目的設定とか人間側のスキーム設定が単純にしょぼいことが多い。

これまで人の手だとえぐいくらいの工数がかかっていたことが、高精度で分類、判別出来るようになったのも事実だし、そのソースになるデータが山ほど手に入るようになったのも事実なのである。

んじゃAI活用企業っていうのがどんなことしてるのか、っていうのをちゃんと見極める最低限のリテラシーが必要だよねってだけなんだけど、なかなか難しい。

What actually it is?っていうのをちゃんと自分の知識レベルで見極めることの大切さを知った1週間でした。