足ることを知らず

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論理的思考プロセスの落とし穴

論理的思考能力という言葉を最近本当によく聞きますが、それが全てではないことはみなさんわかっているはず。

ではロジカルな結論に何故人は動かないのでしょうか。





色々考えてみました。
事実

仮説

検証

結論


論理的思考というのは基本的にこのようなルートを通ります。意外に多いのが、これらのプロセスのどれか一つが間違っていたために「論理的に正しくない」結論を生み出してしまったにも関わらず、「論理的に正しい結論を出した」と勘違いしてしまうケースです。

大体、事実、検証というインプットを含んだプロセスでそれは起りやすいようです。

例えば
事実に意図を含ませてしまう。
事実に対して偏った見方をしてしまう。
事実が事実でない(事実だと思っていたものが他人の仮説に近いもの)

検証が検証になっていない。都合の良いデータのみを見つけてくる
いくつかある仮説に対し、平等な検証が行われていない。(ある仮説だけ非常にいい加減な検証がなされる)

等々、結構当てはまる方は多いのではないでしょうか。
即ち「思い込み」というのが、論理的思考能力のスピードを上げる反面、その論理的整合性を失わせていくということです。




Last Phase:正しいことに人は動かない

全てのプロセスを通りぬけて、その結論がどう考えても正しいという結果に辿り着いても人を動かせるとは限りません。

人はその情報が刺さらないと動かないからです。逆に言えば正しくなくても、刺されば動きます。ただ、最近に関しては「正しさ」の軸がかなり重視されているようにも思えます。しかしながらこの軸は重視されているように見えて、各々の都合のいい事実を「正しい」と定義していることがよくあるのです。
即ち、都合の悪い結論は「見えない」ことが多いのです。例えば「テストがあるから勉強しなさい」という親の至極正しい言葉に従えない人は結構多いですよね。
下のように大筋、この結論は正しいはずなのです。

事実:テストが二週間後に控えている
仮説:テストでいい点を取るには勉強するしかない。
   私は出来ればテストでいい点が取りたい。
結論:私はテストがあるから勉強をしなければならない。

色々引っかかるところはあるかもしれませんが、実はそれは論点のすり替えであったり、枝葉の部分だったりするわけです。「見えなく」している根本原因だと思います。

これらの頻繁に起こりうることから意外にも「論理的思考」のみで人を動かすに足る情報を生み出すことは少ないと考えられます。

そのほかにも情報をうまく伝える技術であったり、タイミングの問題であったり色々な改善点があるのでしょうね。