足ることを知らず

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Twitterには「鮮度」の概念を入れるべきだ。

Twitterはクリティカルマスに入った。
このダイアリでもちょこちょこと取り上げさせてもらっている。TwitterがRSSにとって代わる3つの障壁と追い風 - 足ることを知らず〜Don’t feel satisfied 〜Twitterって流行ってるのかっていういつもの話 - 足ることを知らず〜Don’t feel satisfied 〜
私自身、mixiよりもTwitterを使うようになり始めたし、一日3言はつぶやくようになった。堀江さんの様なアルファブロガーはブログの更新をTwitterで伝えるようになっている。また、IT系のイベントがあれば「#イベント名」でつぶやくことで、イベントに対するフィードバックが出来ることが当たり前になってきた。記憶に新しいところでは東京ゲームショウがある。twitterユーザーのみなさん、東京ゲームショウの情報を共有しませんか! - ファミ通.com
企業もTwitterの利用を始めている。Twitter、企業アカウントを有料化へ? | TechCrunch JapanTwitterフィーチャー・イベントをやってみた | ライフハッカー[日本版]
先日ではさとなおさんが、鳩山首相との会食をTweetしたことが話題になったようだ。www.さとなお.com(さなメモ): 鳩山首相とご飯した

過にmixiの笠原社長が2006年、アントレプレナー道場の講演で「オークションならYahoo、通販ならAmazon、そして日本におけるSNSならmixiはクリティカルマスを取った。もうこれらのサービスを追い抜くのは生半可なことではない。」と仰っていた。microbloggingというジャンルでTwitterは完全にクリティカルマスに入ったといっていいだろう。しかも全世界的に。


サービスとしての成熟度
しかしながら、Twitterのサービス自体はGoogleと同じ様に全く変わることがない。恐らく爆発的に増える会員とTweetを円滑に処理することで必死なのかもしれない。しかしながら、Googleと全く異なる不安要素として、ビジネスモデルが成立していないこと、そしてTwitterが含まれるmicroblogging自体がSNSRSS等の他webサービスと競合し始めたということが挙げられる。何より、Googleの提供しているサービスである「検索」は既に「インフラ」と化している。対してTwitterの場合、microblogging自体が新しいもの、流行りの段階を超えていないように思える。10年後も私はGoogleを使うことは確実だろうが、Twitterを使っているかは正直怪しい。mixiSNS)だって既に流行りの段階を超えているから、アプリ等の別サービスによる成熟にシフトした。アーリーイノベーターは既にmixiをやらなくなっている。要は「まだまだ実用的・便利にならなければ、長期の存続はありえない。」のである。


Tweetはもっと「整理」されるべき
そこで、私がTwitterに強く不便を感じるのが無作為に更新されるtweetの数々である。少なくともtweetに関する整理は「発言者」「RT、Re」位のものでしかない。ぐちゃぐちゃのまま数多のTweetが上がってくる。映画の感想の下に未来の業界への提言を行っているつぶやきが存在するなんて情報の氾濫だ。

私が少し考えただけでTweetの分類は色々出来る。

「質問系のTweetと断言系のTweet
「あのさ、○○ってどこにあるの?」といった質問系のTweetは多い。スルーされることが多いtwitterで、質問系Tweetはそもそもあるべきでないという考えもあるかもしれないが、コミュニケーションツールとして「質問出来ない」なんていうサービスは役立たずもいいところだ。?をつけたフォロワー全員への質問は不可欠だと思う。断言系のTweetは自己完結するもの(備忘録程度)のもの、単純な感想、ニュースを伝える、または皆に対する提言がある。ニュース・提言系は「ふぁぼったー」の様な形で取り上げられたり、RTされることが多いが、その他は「見て何か得られる」類のものではない。

Tweetの鮮度」
更にこれらの分類に「鮮度」の概念を加えることが出来る。例えば、質問系は今すぐ答えてほしい場合が多い。ニュース系のつぶやきはすぐに「意味」を失うから、刺身の様に鮮度が大切だ。(もちろん、ニュースの内容に依存する)提言系は時間に依存せず、常に価値を持ち続けるるだろう。即ち、Tweetが情報として価値を持ち、輝き続ける時間(=鮮度)はつぶやきによって大きく異なる。対して、著名人の名言の様に何百年も残る一言(Tweetも存在するわけだ。短い情報であればあるほど、その鮮度に差が現れる。blogでもこのような現象は起きるが、blogは長文であるがために様々な周辺情報を取り込むから、思考のプロセスなり、ケース的なものだったり、情報価値は長く持つ傾向にある。
例えば、先述のさとなおさんの「鳩山さんと飲んだ」Tweetの鮮度は持って何時間かだろう。しかも一分毎に加速度的に価値を失っていく「ニュース系・感想的Tweet」なのだ。それに比べ、それを記事にしたblogはしばらく価値を持つ。ソーシャルネットワークについての提言も行われているし、トラックバック、コメント等を覗けば、Twitterというソーシャルメディアが初めて日本の首相に接触した出来事を記述しているからだ。また、ソーシャルメディアにあり方についても学習できるかもしれない。兎に角、短いtweetに対して平均すれば、鮮度は長く持つことになる。


Twitterはつぶやきを鮮度別に分ければかなり便利なサービスになる。
勿論、どのように分けるの?という問題はあるかもしれないが、少なくとも「?」が入れば質問系であるというような分類は出来るはず。また、投稿時に鮮度が長持ちする種類のTweetなのか設定する方法もある。自分で投稿時に設定することによってTweet閲覧時の見方も変わってくるはずだ。極端な話、鮮度がほとんどないTweetは表示されない(腐る)のも面白いかもしれない。このような情報の選別を行うことによってフォローする人間を増やすことが出来る。今私は40人近くをフォローしている。これくらいの数でも3時間すればTweetは時に100近く溜まってしまう。中にはもう価値のないTweetも多い。逆に価値はあるのに流れてしまっているTweetもあるわけだ。今の状況でも処理しきれていないのだから、フォローを増やすことは躊躇ってきた。むしろ減らしたこともあった。

情報の選別によってフォローを増やせるのであれば、より広い範囲をカバーするソーシャルメディアにすることが出来る。ある意味、効果的な情報反芻http://kokokubeta.livedoor.biz/archives/51668160.htmlをツールの協力と共に行えるわけだ。そして、ソーシャルメディアにとってフォロー、フォロワーのネットワークは最重要項目ではないのだろうか。このネットワーク成長を妨げているのが情報の分類・処理だとすれば、サービスの成熟のためにすぐにでも取り入れていいのでは?と思うのだが。いかがでしょう?