足ることを知らず

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新聞・ニュースにおける革命

PV幻想の崩壊という意味合いもあるのでしょうね: ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)


愛読しているmb101さんのエントリ。

正にhttp://www.amazon.co.jp/%E3%83%93%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%BB%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AB%E2%80%95%E3%83%93%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AE%E6%99%82%E4%BB%A3-%E3%83%8B%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%8D%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%83%86/dp/4756116043で述べられていそうな話ですね。

ほんの少し前までは、わりと牧歌的に、紙の新聞は消え、すべての新聞はPCで読まれるようになると言われてきたような気がします。そして、PCで読まれるという言葉が想定するイメージは、無料で、ということでした。そこに、有料というイメージはほとんどなかったし、また、多くのネットユーザーからは望まれていない雰囲気がありました。

 新聞社をはじめとする多くのニュース系Webサイトはコメント、トラックバックなどの双方向機能を強化し、PVの拡大に躍起になりました。なぜ PVを上げようとするのか。それは、収益性という視点で見れば広告のクリック数を上げるためです。サイトの広告媒体の価値は、概ねPVとの相関で語られます。多くの人に見られている媒体は、それだけ価値が高く、よってその媒体にある広告枠も価値が高い。つまり、それは「広告モデル」を基準にした考え方です。

物凄くわかりやすくこれまでの新聞社がやってきたことをおさらいして仰っています。
先日iphoneを買ったのですが、産経新聞が下手すると紙媒体よりも快適に読めてしまう。
文字を読むだけなら自分の顔に限界まで近付けられるし、ねっ転がれるし、iphoneは最高のインターフェースかもしれません。逆に細かい作業はやっぱりPCの独壇場ですね。あと、webに関しても、リサーチにはあまり向いていない気がします。むしろ、お気に入りの記事を後でゆっくり読むといったような「他ページにあまり飛ばない」直帰率の低いwebサーフィンになると思います。これに関しては携帯とiphoneが共通しているといってもいいでしょう。

話はそれましたが、今回の元記事であるマードック氏の戦略
Expired

マードック氏は決算発表後の電話会見で「質の高いジャーナリズムは高くつく。内容を無料で提供することは、資産を切り売りしているのと同じことだ」と語り、世界の主流となっている新聞社系Webサイトでの記事の無料提供を見直すと明言した。

 また「有料化の先陣を切ることで読者の減少に見舞われようともかまわない。もしわれわれが成功すれば、世界中の新聞が追随するだろう」とも述べ、傘下にもつ英国の高級紙タイムズや大衆紙サンなど、すべての新聞を来年夏までに有料化するとした。


についていくつか思ったことがありました。

まず、結局のところ日本でも「ソース」と呼ばれる情報源はほぼ新聞社や共同通信等の企業であり、個人が発信しているブログに関しては「ソース」にはなりえない。

よって、「ソース」を有料化したとしても、自分の意見に有効性を持たせたい人間はお金を払って見るしかない。

しかしながら、毎日毎日出るニュースに著作権等はつくのだろうか?
つかないならばほぼ間違いなく「新聞社が無料で情報を流さなくても、誰かがやる」。

ひろゆきも言っていました。「2chを僕がつぶしたとしてもweb上に誰かが2chの様なものを作ります」と。

これに近い話で、今新聞社の代わりに情報を莫大な人間に流すことは容易に出来てしまうのです。
だから「お前がやらなくても誰かがやる状態」というのが起こり得るわけです。

これを皆がやり始めた場合、ほぼ収拾がつきませんから、この戦略は大失敗ということになる。
かといって情報を過度に保護しようとすると、そもそも情報伝達機関であるメディアであることの意味がなくなります。
実は情報を保護する動きって「コンテンツホルダー」の動きなんですよね。だから恐らくうまくいかない気がします。「ニュース」はリークであり、本質的に「コンテンツ」とは逆行したものだと感じるからです。

この戦略はすぐに取り下げられる気がします。収益性がガタガタの状況で勝負に出る気持ちも強かったのだろうと思いますが、「タダで手に入るもの」に勝るものはありません。別に記事のクオリティが落ちようが、情報の概要がわかればいいという人間が多い限り、コンテンツホルダーの動きであるこの戦略に勝ち目はないからです。




全然関係ないけど、結構面白いなぁと思ったのはこれ。
WAN PRESS - Tecnología, Juegos, Trucos, Internet y mucho más
テレビもそうなのですが日本ってマスメディアが「本来の意味で」激しく競争する環境にはなっていなかったのですね。アメリカのテレビはほとんどケーブルで、まずチャンネル数が多く、3%とかの視聴率でも高い方です。例えば、FOXなんかは、収益のほとんどを広告に頼っていません。コンテンツで荒稼ぎしています。24見たことあるでしょう?日本の場合、群雄割拠ではなく、寡占に近い競争環境であったために意志決定や戦略に関しても「視聴率」「発行部数」といった単一の指標をクリティカルな目標、下手をすれば目的として挙げていた気がします。そもそもビジネスモデルだったり、情報戦略だったり、コスト戦略等を考え始めたのは最近ではないかと。「何故、テレビは広告収入がメインなのか?」なんていう問いを社内で感じている人は一人もいなかったはずです。
ほぼ構造ががっちがっちに固まった状態で、番組の質だけは下げないように「視聴率」という指標を競争の最大条件として扱っていたわけです。でもそもそも視聴率取れなくても儲かるなら企業としてはそれで良いのではないかという問いが一切なされてこなかった業界なのです。かなり儲かっていたというのもあって。だから業界構造をどうしても変えなければならない今の様なご時世になると、やはり対応できる人材もいなければ組織構造もそこまで柔軟ではないというのが本音かもしれません。




あとiphone買ったというのは先程も述べましたが、こんな記事を発見。


アップルが開発中と噂の「iTablet」が実際に動いている映像!? [追記あり]


うーむ。少し早く買ってしまったかな。さっき述べたiphoneでは向かない用途にも向いてそうですね。
特にパワポなんかは上手く作れそうな気がします。
webサーフィンは相変わらずっぽいのですが。

取り敢えずブラウザをsafari以外使えるようにしてくれれば全然問題ないですね。webブラウジングさえ良ければiphoneのインターフェースをフルに活用した超快適web生活が出来そうな気がします。