足ることを知らず

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リーダーシップ論壱

『リーダシップの定義は何ですか?』


この質問は就職活動でもされたし、チームで働く全ての人間に付きまとう問題だと感じる。
私は以下の二点を「定義」として某コンサルティングファームエントリーシートに記入させて頂いた。

・チームを引っ張ることではなく、チームメンバーが十分に活躍できる環境を作ること。

・後継者を育成し、自分がいなくても機能するチームを作ること

二点とも、私が想定しているリーダーというのは「チームの実力を引き出し、また育成する」ということである。

勿論今述べた二点というのは極めて大枠の定義であって、もっと細かい点で、明確なルールの浸透であったり、正確で迅速な評価査定であったり、小項目は多い。ただし、それらの細かいリーダシップ要素はチームメンバーによって変化するものだし、チームの目的によっても変化するのである。チームの中でリーダーという立場を任された際に、目的遂行のために行える最善且つ最適な方法というのが上記二点だと私は考えている。

ただし、上のリーダー論というのは一つシニカルな面を持っている。企業を例に出すと、リーダー(幹部・役員・上級職)はチームにおいて、自分が不要になる方向へとチームを進める。それが「良いリーダー」だと考えている。で、あれば「良いリーダー」というのはチームが完成した時には「不要でありながら高給を蝕む害虫」でしかない。まぁ、この点については何をもって「チームが成熟したか」が定義されていないとあまり意味のない議論かもしれない。ただし、リーダーの本質は育成と環境・理念構築にある。このため、リーダーが効果を発揮するのは初期〜中期であり、終盤でまだチームがリーダーに精神的依存であったり、ましてや行動・責任において依存があればそれはチームが成熟・完成していない証拠である。「良いリーダー」ではない。

だからリーダーには「引き際」が大切なのだ。早すぎれば無責任な無能上司になるし、遅すぎれば既得権益にすがる老獪になる。この引き際をしっかりとわかっていたのは私が思うに元マッキンゼーパートナーで、今のマッキンゼーの礎を築いたマービン・バウアーだと思う。

日本にはこのような「EXIT」の意思決定を個人レベルでも企業レベルでも出来ない人間が多い。結論からさかのぼって考えるのは苦手な人が多いのだろう。

しかし、組織のスピード感、適応性を維持するためにも血液循環の意味で、リーダーのEXITは確実に大きく寄与すると私は感じている。

またリーダー論については書きます。