足ることを知らず

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営業の真髄は「ジャンケン」だ。

凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストーク

凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストーク


書評としては、兎に角、わかりやすくて読みやすい。
現時点で僕は営業職ではないが、実は営業は全ての職種で必要だ。内勤であろうと、自分たちの仕事を円滑に進めるために、会社内の関係各部署に対する営業力があるかないかでは雲泥の差がある。

という意味で実に役立つ本であった。

誰から聞いたか忘れたが、「会社の中で『営業』は最も贅沢なもの」と仰っていたことを思い出す。営業は誰しもが出来、また誰しもが出来なければならない。だから、専門職としての「営業職」は確かに会社としては贅沢な資材配分かもしれない。
また、コンサルティング業界では営業はトップ層のマネージャーやパートナーが行う。「営業職」という設定をしていない業界もある。

少し話が脱線したので、本の話に戻ろうと思う。


よく「営業には正解がない。結果のみが正解を決める。」なんていわれる。確かに定型的な営業の「正解」は存在しない。それは相手に依存するという当たり前のことからだ。
著者の佐藤さんはそれでも、凡人に応用可能なマニュアル的テクニックを記しておられた。
それは、「常にパーで行け」「いや、グーこそ至高」といった従来の営業本とは異なる。
しかしながら、結局人と人との付き合いである以上、マニュアルでは対応できないと思う。やっぱりどんなに良くできたマニュアルでも、通り一辺倒では人の心を打つことは出来ない。ジャンケン的やり取りは確実に必要だ。
佐藤さんの本は、ジャンケンのような運や洞察力を求められる難しいプロセスに出来るだけ依存しないようにする、そんなメッセージの込められた書籍だと思う。

営業は結局、心のやり取りだ。
だからこそ、終わりがないのである。