足ることを知らず

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テレビが面白くなくなったのは何故か

よく言われます。テレビが面白くなくなった。


本当にそうなのでしょうか?
確かに、10年前と比べ、視聴率は格段に落ちていると思います。内容もガラッと変わったでしょう。

ただし、番組の質が落ちたかといえばそうではないと思っています。むしろ、様々な点で緻密さが増し、画質、エフェクトなどあらゆる点で「プレゼンテーション」「作品」の質は上がっている。

質が上がっているのに「ウケない」ということは、人々のニーズに応えていないということなのでしょうか。これはギリギリ間違い。視聴率という「ニーズ指標」をとても気にするテレビ局が、ニーズを無視して突っ走ってきたとは思えない。むしろ、ニーズに応えるためにあらゆるアンテナを貼っているでしょう。

質も高いし、ニーズも捉えているはずなのです。

ただし、「ニーズを捉えている」というのは少し間違い。
一昔前は「ニーズ」が大体同じようなものだったんですね。一昔前の20代の男性は基本的に「車」に乗っていました。彼らにとって車は必要不可欠な「体」の一部のようなものでした。メガヒットが、体の一部に組み込まれているような時代が一転して「人それぞれ」の時代へと流れている気がします。

情報発信の源泉もメガ媒体だけでなく、僕のようにblogという媒体を使うことが出来るようになりました。一人当たりの選択肢、時間ポートフォリオの組み方の自由度が上がったのです。そうすると、「○○歳が○○な日、○○な時は・・・のニーズ」と、どんどんセグメントが細かくなっていく。すると、自動的に「ヒット」の不発が起こりうる。

「ヒット」で生き延びているテレビにとってこれは致命的ですよね。「ヒット」が生まれない時代に、テレビという媒体が巨大な力を誇るのは少し難しいかもしれません。


テレビのあるべき形は変わろうとしているのかもしれませんね。