足ることを知らず

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幸せな交流

私はよく人と話していて「要するにどういうことなの?」と聞いてしまう。これを嫌う人は多い。自分の話に興味を持ってくれていないと感じるだけでなく、「話したいことが話せない」という欲求不満に陥るからだ。

でも私は「聞きたくない話は聞きたくない」ので、要点だけを纏めて述べて欲しいと思う。この時、要点だけを述べられれば私にとっては不快感のない幸せな会話が成立する。逆に相手にとっては不完全燃焼の感は拭えない。長々と感情をありのままに話せば、相手は満足かもしれないが、逆に私は時間を無駄にしたと感じ、「そんなこと2分で済む話じゃないか」と憤るだろう。

エントリにも書いてある、「幸せな交流」とは「聞きたいことと話したいこと」がかなり高い割合で一致している状態だと思っている。
ベン図でいけば、聞きたいことと話したいことがほぼ重なっており、完全に近い○のような状態になっているのだ。(下図)

上記の私の場合は、常に「聞きたい」○が小さい。相手に対する興味が最小限に抑えられ、自分の欲求に対する合理化ばかりを目的にしている。よって大体は相手の話したいコトを全て満たさないわけだ。(下図)

そして、コミュニケーションにおいて最悪の状況は以下の状況である。

相手の話を聞きたくもないし、自分の話を相手に話したくもない
まるで喧嘩である。しかしながら、「就職活動中の面接で嘘をつき、頭が真っ白になりながらわけのわからない話をしている時」や「無理だと思う顧客に必死に営業をしているが、顧客は勿論ウザいと思っているし、営業している本人ももう無理だけど引っ込みがつかないという時」など結構色んな場面でこの「最悪の状況」を見ることが出来る。

逆に一番最初の図の様な、「幸せな状況」は特にビジネスでは見られることが少ない。もっとリラックスした場である場合、特に昔からの友人と話している時、恋人同士で話している時などが当てはまるのではないだろうか。

ここに人づきあいの大きなヒントがある。よく、「人たらしは仕事が出来る」という。それは幸せな交流の状態を作り出せる人間だからである。コミュニケーションの第一条件は「人たらし」だ。

人たらしは聞きたい○も話したい○も大きい。大きい○というのは相手を満たしやすいのである。聞きたい○が大きいというのは「相手に興味を持つ」ことである。そして、話したい○というのは「自分を売り込みたい」と思うことである。

また、リラックスする・させることも重要だ。○の輪郭を柔らかくすることで、広げたり縮めたり出来るはずだろう。


そして、コミュニケーションのプロになりたければもう一つマスターしなければならないことがある。相手の○を読み取ることである。そして、それに合わせて自分の○を変えていく、若しくは相手の○を変えていくのだ。
後者は勿論難しい。でも、ほとんどのコミュニケーション本には後者のことばかり書かれている。それは違うのだ。幸せな交流はKYでも出来るのだ。相手に興味を持ち、自分を知って欲しいと思うこと。それは実は「好きになる」という根源的な感情に立ち戻るだけなのかもしれない。だが、忘れられがちな基礎である。